平成元年生まれ、香華殿の河野です。
天皇陛下が生前退位を表明されましたね。私が生まれた時には、昭和天皇はご逝去されていましたので、陛下が仰ったことが本当に衝撃的だったのですが、皆様はご覧になられましたでしょうか。私が驚いたのは、この陛下のお言葉の一文です。
天皇が健康を損ない、深刻な状態に立ち至った場合、これまでにも見られたように、社会が停滞し、国民の暮らしにも様々な影響が及ぶことが懸念されます。更にこれまでの皇室のしきたりとして、天皇の終焉に当たっては、重い殯(もがり)の行事が連日ほぼ2ヶ月にわたって続き、その後喪儀に関連する行事が、1年間続きます。その様々な行事と、新時代に関わる諸行事が同時に進行することから、行事に関わる人々、とりわけ残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません。こうした事態を避けることは出来ないものだろうかとの思いが、胸に去来することもあります。
えええええええ…まだ「殯(もがり)」文化残ってんの……!?
「殯(もがり)」とは
殯(もがり)とは、日本の古代に行われていた葬儀儀礼で、死者を本葬するまでのかなり長い期間、棺に遺体を仮安置し、別れを惜しみ、死者の霊魂を畏れ、かつ慰め、死者の復活を願いつつも遺体の腐敗・白骨化などの物理的変化を確認することにより、死者の最終的な「死」を確認すること。
殯 – Wikipedia より
で、大化の改新移行は「薄葬令」によって簡略化され、火葬へ切り替わっていきました。なので、私にとっては大昔の、風葬や土葬文化があったころの風習で、未だに文化を大切にされるとはいえ、天皇家が継承していると思っていませんでした。
80歳を越えたご高齢の喪主様が、通常のご葬儀を上げるだけでも大変なことなのに、「殯(もがり)」からまず3日ほど寝かせてもらえないですよね…。さらに、大喪の礼など葬儀に関する行事が1年にわたって続くだけでなく、現代の儀式も同時に行われるそうで……。大化の改新移行、たくさんの憲法が改正されたのに、「生前退位」についての記載はない…。生きてから死ぬまで、「日本の象徴」として働き続けることを強要するのってどうなのかな…と思いました。会社でいうとかなりブラック企業ですよね…それを「日本の象徴」となるべき方がしていていいのかな…。お体、大切にされてほしいです。
まだ「殯(もがり)」の文化が残る地域はあるのかもしれないですけどね。カンヌで賞をとった「殯の森」も一度見てみたいです。営業部 河野でした。