こんばんは。香華殿北広島斎場の大崎です。
現在、献体を希望する人たちがとても増えてきていると、何かのテレビの特集で見たことがあります。
「献体」とは、死後に遺体を医学・歯学系の大学に提供し人体解剖実習などに役立ててもらうことです。
献体を希望する理由としてはまず、日本の医学発展への崇高なボランティア精神が挙げられると思われますが(献体による金銭報酬はありません。感謝状くらいです)
最近の傾向としては、葬儀もお墓もいらない、誰の手も煩わせたくないという理由が多いようです。
核家族化が進み、独居老人も年々増加しており、看取ってくれる人がいないという背景が強く感じられます。
献体登録した方が亡くなった場合、大学側は48時間以内の引き取りを希望します。
ですので、その時間内であれば通夜・葬儀を執り行うことは可能です。
通常と違うのは、葬儀後に向かうのは火葬場ではなく大学の解剖学教室となります。
葬儀をするかしないかは飽くまで自由ですので葬儀代金は遺族の負担となります。
大学側で費用を負担するのは、ご遺体を大学へ搬送する段階から遺骨を返却するまでとなります。(搬送・火葬・棺代等)
そして、実習が終わり遺族に遺骨が戻るまで、2,3年かかると言われています。
死後に葬儀をせずに大学へ直行すれば実質費用はかからないのでしょう。
遺骨も原則返却されますが、希望によっては大学側が一時保管してくれる場合もあります。
しかし
葬儀は故人のためではなく、遺された家族のためにあると思っています。
葬儀というお別れの場を持たずに故人が他人の手へ渡ってしまうのは、数十年間一緒に歩んできたご家族としては、とてもやりきれない思いが残るように思います。