こんにちは!香華殿札幌東斎場の村井です。
今回は終活についてお話します。
「終活」という言葉自体はよく耳にするようになりましたが、
実際に終活を行っている方以外は詳しい内容をご存知ないと思います。
また、実際に終活を行っていても「本当にこれで大丈夫…?」と
不安や疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回はいざという時に困らないよう、
葬儀社が考える「役に立つ終活」をご提案致します。
目 次
① エンディングノートを作成する
② 葬儀について計画する
③ 遺言書を作成する
④ お墓を選ぶ
① エンディングノートを作成する
エンディングノートに記入しておくことで、いざという時に役に立つ項目をまとめました。
また、香華殿や姉妹斎場のウィズハウスでは、事前相談にお見えになったお客様に
エンディングノートをプレゼントしていますので、どうぞお気軽にお越しください。
◆本人情報
・生年月日・本籍地・住所・住民票コード・マイナンバーなど
◆家族・親戚・友人などの交友関係と連絡先
家族をはじめとした親戚関係や親しい友人・知人、仕事関係者などについて
連絡先をまとめる。
◆財産関係
・現金 ・銀行口座 ・自動引き落とし口座 ・生命保険など各種加入保険
・貴金属 ・価値の高いコレクション ・クレジットカード ・年金 ・株式
・不動産 ・各種ローン ・借入金 ・有価証券などをまとめる。
※逝去後は原則的に故人名義の銀行口座は凍結されます。
凍結を解除するには相続人全員の承認が必要で、数カ月かかることもあります。
自動引き落としなどもあるので、事前にお金の移動や管理をしておく方も多く
いらっしゃいます。
◆医療や介護
医療機関や介護施設に関する希望、延命治療について、臓器提供についてなど、
自分の意志を記入しておきます。
◆パソコンやSNSに関するデジタル情報
パソコンのOS、FacebookやインスタグラムなどのSNS、アマゾンや楽天などネット通販、
有料サイトなど、それぞれのIDとパスワードを記入し、退会や解約が必要であればその説明
も記載する。
◆ペットについて
一人暮らしでペットを飼っている場合、そのペットを引き取ってもらう必要があります。
ご自身が亡くなった後に引き取り手が見つからないことのないよう、
早めに検討しておきましょう。
◆家族や友人へのメッセージ
大切な人たちに伝えておきたい思いがあれば、手紙やメッセージカード、
写真や動画として残しておくと良いでしょう。
※エンディングノートには財産やパスワードなど重要な情報を記入する必要があるため、
作成したノートは封筒に入れて封をする(第三者に見られた場合、開封されているので
気が付きやすい)、金庫に保管するなどして、慎重に管理しましょう。
② 葬儀について計画する
葬儀を行う際は、短い時間で決めなければいけないことがたくさんあります。
準備が可能なことは前もって準備をすることで、喪主や施主をはじめとするご家族の
負担を減らし、皆様の希望する形で葬儀を行うことができます。
◆葬儀を行う場所を決める
葬儀会社が運営する葬儀場、自宅、地域の会館、寺院、その他公民館や公共の施設など、
葬儀を行う場所を決めておきましょう。
◆葬儀形式を決める
現在では一般葬や家族葬、一日葬や直葬など、葬儀形式にも色々な選択肢があります。
家族の間で意見が食い違うことも珍しくないので、事前に話し合っておくと安心できます。
◆人数を把握する
葬儀費用は親族の人数で大きく変動します。
正確な人数を算出する必要はありませんが、イメージできる範囲で規模を予測しておきましょう。
◆葬儀社を選ぶ
希望する葬儀のイメージがついたら、葬儀社を探します。
事前相談をするなどして、希望する葬儀を形にしてくれる誠実な葬儀社を選びましょう。
◆遺影写真を決める
葬儀の際に一から遺影写真を決めるのは意外と大変です。
万が一にそなえて、事前に写真の候補をあげておきましょう。
現在は着せ替えや背景など調整することが可能なので、
お顔がはっきりと写っている写真を選ぶことをおすすめします。
◆喪主を決める
葬儀を主導する喪主を決めておきましょう。
北海道では一般的に「配偶者」→「長男」→「次男」→「長女」→「次女」
などが候補として上げられます。
◆住民票と本籍の確認
葬儀の際、故人の住民票がある市町村以外の火葬場では、
火葬料金が高額になる場合があるので注意が必要です。
また、死亡届を提出する際には届出人(故人の親族や同居者)の住所や本籍地を
記載する必要がありますので、そちらも併せて事前に確認すると良いでしょう。
③ 遺言書を用意する
ご自身の所有する現金や株式・不動産などの財産を、誰がどれだけ相続するのかを
明確にするため遺言書を作成します。
遺言書には「普通方式」と「特別方式」があり、一般的には普通方式で作成します。
また、普通方式には「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」があり、
それぞれにメリットデメリットがあります。
◆自筆証書遺言
自身の手書きで作成する遺言書。
・メリット
費用や作成期間が不要。
・デメリット
パソコンでの作成や代筆は無効。自分で作成するため必要事項の記入漏れ等に気付かなかった
場合、遺言書そのものが無効となる。
◆公正証書遺言
法務省が管轄する公証役場に在籍する公証人(法律専門家)に、作成と保管を依頼する遺言書。
・メリット
法的に正しい遺言書を確実に残せる。
・デメリット
費用と作成期間がかかる。
◆秘密証書遺言
遺言書は自身で作成し、前出の公証役場に保管を依頼します。
・メリット
秘密が守られ、確実に保管される。
・デメリット
公証役場では遺言書の内容確認は行わないため、開封後に不備があれば遺言が無効になる。
④ お墓を決める
墓地の運営団体は大きく3つに分けられます。自分の宗教・宗派を把握して、
自分に合っているのはどのタイプなのか検討しましょう。
◆民営墓地
民間の事業者が運営している墓地。
申し込みの際の条件が少なく、多くの場合サービスや設備が充実している。
宗教・宗派の制約はない。公営墓地と比べると費用が高くなる傾向がある。
◆公営墓地
都道府県や市町村が運営する墓地。
比較的費用が安く経営破綻の心配がないため人気があり、倍率も高い。
申し込み期間が限定されていたり申し込み条件があるなど、
入手が難しい傾向にある。宗教・宗派の制約はない。
◆寺院墓地
宗教法人が運営する墓地。
寺院墓地を希望すると、ほとんどの場合檀家になる必要があり宗派が限定される。
まとめ
・交友関係や財産、医療、デジタル情報など、
エンディングノートには記入すべき事項が多数ある。
・エンディングノートに財産やパスワードなど重要な情報を記入した場合、
作成したノートは封筒に入れて封をする(第三者に見られた場合、開封され
ているので気が付きやすい)、金庫に保管するなどして、慎重に管理する必要がある。
・葬儀関係で準備が可能なことは前もって準備をすることで家族の負担を減らし、
希望する形の葬儀を行うことができる。
・遺言書は法的に有効なものを作成し、しっかり保管する必要がある。
・墓地を選ぶ際は自分の宗教や宗派を確認し、状況に合った墓地を選ぶ。